デジタル庁
ニュースを賑わす「デジタル庁」、真に国民の便益に資することを願ってやみません。
推進するための国民向けアピールとして「〇〇オンライン化」など分りやすい施策の名前や数を強調すことも必要だと思います。
しかし、それら施策は手段であり、「効率化」、「コスト削減」などの目的達成が大切であることは言うまでもありません。
ところが現在進行しているデジタル化の問題として(ほんの一例ですが)私の場合、オンライン手続き時には印鑑に代わる本人確認証明として、公的認証サービス(マイナンバーカード)、金融機関用の電子署名、行政書士用の電子署名など(他にもガバメントIDとか色々あります)を使い分けなければいけないという非効率が発生しています。また、生涯使える印鑑が1万円なのに対して、電子署名は3年間の利用料が2万3千円と印鑑よりコスト高です。
さらに、ある行政オンライン申請では、行政書士用IDは顧客会社毎に必要、つまり10社から依頼があれば10個のIDが必要、そのID取得には都度行政窓口に紙書類を持って出向くオフラインの申請が必要、といった具合です。
過渡期の不都合であれば我慢もできるのですが、競争原理の働かない分野であるが故、オンライン化数の実績作りが優先され、このような調子でリリースされ続けることで無駄な費用・時間の負担が利用者に跳ね返ってくるようでは困ります。
新設されるデジタル庁職員には民間からの人材登用が考えられているようですが、それがアリバイ作り的なことに終わらず、利用者目線でサービス開発競争をしてきた方々の本来の力が発揮でき、実のあるデジタル化ができることを一国民として願い、その活動を注視すべきと思っています。