採用~就労までの流れ

外国人を雇用する代表的なパターンとして、日本の大学・大学院や専門学校に留学している(在留資格「留学」を持つ)外国人を採用する際、在留資格を「留学」から「技術・人文・国際業務(ぎ・じん・こく)」に変更するケースで確認してみましょう。

  1. 書類選考、採用面接
    • 採用予定の職種と留学生の専攻科目の関連性があるか確認しましょう。 専攻した知識を必要としない職種は認められないのが原則です。(但し、日本語能力が高い(N1)などで例外的に認められる場合もあります)
    • 一定の要件を満たした専修学校専門課程の学科を修了した留学生については、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更時における専攻科目と従事しようとする業務の関連性について柔軟に対応し、大学等卒業者と同等の取扱いとなりました。【2024.2.29改定】
    • 採用を考えている留学生がオーバーワーク(週28時間以上のアルバイト等)、その他法令違反歴などがある場合は不許可となる可能性が相対的に高いです。早めに行政書士など専門家にご相談することをお勧めします。
  2. 内定通知・雇用契約締結
    • 内定の事実、雇用の条件を明確にするため書面で提示し説明しましょう。同書面は許可申請の添付資料としても必要になります。
    • 雇用契約には、契約が有効となる条件として「当社業務に必要な就労資格の許可」明記しておくことがよいでしょう。
    • 雇用契約書(または内定通知書)の内容は十分本人が理解できるよう説明することが必要です。
    • 外国人であることだけを理由に日本人よりも低い給与その他条件にならないようにしましょう。資格許可には、雇用する企業側が労働基準法に違反する差別的取扱をしていないことも重要です。
  3. 許可申請(準備)
    • 卒業見込みの状態でも申請は可能です。(許可時には卒業証書が必要です。)留学生の場合、12月(東京出入国管理局の場合、以外は1月)から内定者の資格変更許可申請受付が始まります。
  4. 許可申請
    • 審査には問題がない場合でも2~3か月程度要します(会社の規模、上場/未上場など条件によって異なります)。また追加の説明資料を求められ対応する日数が必要になる場合もありますので、雇用開始予定日から4か月前には行政書士と相談を実施し許可申請の準備を開始することをお勧めします。
  5. 申請許可(在留許可証の交付)
    • 在留許可証の交付のため、卒業証書をご用意ください。
    • 雇用契約書には雇用条件として「就労資格許可」を記載することがよいでしょう。

注意すべきこと

雇用契約については、退職時の条件含め十分に説明することが求められまます。もし本人の日本語レベルでは十分に理解できない場合は母国語の翻訳をつけたうえ、契約書に署名することが後のトラブル発生を防止することに繋がります。

賃金に関しては、同様の業務に従事する日本人と同等以上にする、同様の業務に従事する日本人がいない場合には同地域で同じ業務に従事する他社の日本人と同等以上の賃金とする必要があります。在留許可ではこの点も審査の対象となります。外国人を安価な労働力とみなして雇用することはできないと考えるべきです。